セロトニンが全て解決してくれる。かもしれない。
みなさんこんにちは。
今回は、セロトニンという脳内物質が全てを解決してくれるという曲解でお話したいと思います。
脳内の情報伝達物質には、
など様々なものがあります。
これらの情報伝達物質は、メンタルに大きく作用するものが多く、多すぎたり、少なすぎることで体に不調をきたすことがよくあります。
特にセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの3つは、うつ病の時によく不足しているといわれる脳内物質です。
セロトニンは不足すると初期のうつ症状を引き起こします。
イライラしやすかったり、気分が浮き沈みしやすかったり、気だるさを感じやすい時は、セロトニンが不足しているといわれています。
蛇足ですが、一般に「うつ病」と診断される頃には、セロトニンだけでなくノルアドレナリンも不足していることが多く、その場合、無気力感、虚脱感によって、動くこともままならなくなります。
しかし、医学的にはセロトニン不足の段階で既に「うつ病」なので、この段階で、これ以上深刻化しないように、病院に行く、カウンセリングを受けるなどの処置が必要になります。
これを放置すると、「より深刻なうつ病」になります。
で、今回、なぜセロトニンについて語っていくかと言うと、誹謗中傷の「加害者」も「被害者」もどちらもこのセロトニンが足りていないことが多いからです。
もっと端的に言うと、社会的にセロトニンが不足しやすい環境だから、誹謗中傷が多発すると言えるからです。
セロトニンがちゃんと生成されて、イライラしにくい環境であれば、クソコメ、クソツイ、クソリプ、クソメールやクソマロを送る確率も減らせるかもしれません。
また、よく誹謗中傷の書き込みをする動機として、「イライラやストレスを発散させたかった」というアホみたいなことがよく挙げられますが、それもセロトニンが不足して、精神が不安定になっているからこそ起こりうることといえます。
なので、その根底であるセロトニンについて正しく理解し、たくさんの人が、セロトニンと共に生活出来れば、誹謗中傷の発生を抑えることができるのではないでしょうか?
今回はそんな希望を引っさげつつ、セロトニン人生を送るための方法について考察していきます。
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そもそも論
メンタルの薬はなんのためにあるのか?
セロトニンやノルアドレナリンの薬は、精神科や精神科医の資格を持つ内科で処方されることが一般的です。
これらの薬は、不足した脳内物質を一時的に補うために処方されます。
また、ものによっては脳内物質を作る脳機能を刺激して、セロトニンやノルアドレナリンを作り出す薬もあります。
そのため、薬を飲むことによって、一時的に、脳内物質のバランスが整います。
ですが、常に脳内物質の生成を助ける働きをしている訳ではありません。
薬の効果が切れれば、再び脳内物質のバランスが崩れてしまいます。
いわば、処方された薬というのは、輸血と同じなんですね。
血液を作る働きが弱ければ、不足した血液の分、永遠に輸血し続けなければなりません。
逆に、血液を作る働きが正常に機能を取り戻せば、輸血の必要はなくなります。
精神科で処方される脳内物質系の薬は概してそういうものです。
なので、脳がきちんと脳内物質を生成出来れば、メンタルの薬は飲まなくても良くなります。
では、肝心の、どうやって脳内物質を作る機能を取り戻すかについて、次の章で紹介したいと思います。
食事と睡眠のバランスを保つ
いまさら何を当たり前のことを!
と感じる方が大半かと思います。
どうせならあっという間に脳内物質が出るツボなりストレッチなりを教えてくれ!
と、お思いの方の声が、沢山聞こえてきそうです。
…ですがちょっと聞いてください。
そんな方法があったら、今頃、こんなにたくさんの人がメンタルの不調で悩むことがありますか?
ないですよね?
地道に取り組む以外の方法がないから、私たちは、最終手段として処方箋に頼ってしまうんです。
逆に言えば、地道に取り組むべきことは、最低でも、食事と睡眠の質をあげることだけです。
あとは日光を浴びる、気が向いたら軽く運動をする、ストレッチをするといったことをすればいいんです。
やるべきことは、食事と睡眠の質を改善すること。
食事も、睡眠も、普段から皆さんがやってる事です!
であれば、きっと少しばかりの心がけがけ次第で、改善出来るはずです!
自信を持って!
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食事の質を高めるために必要なこと
セロトニンを作る食材よりもまず、脳を作る食材を取らないといけない。
ここ、ものすごく多くの人が勘違いしているので、しっかりと順序を学んでいきましょう。
前書きで、薬はあくまで輸血のようなものだとお話しましたよね?
なので、血を作る機能から回復させないと、状況は改善しないんです。
セロトニンも同じです!
バナナをはじめ、セロトニンになる食材は様々あります。
けれども、それらを食べるよりまず先に、セロトニン工場となる脳を作っている成分を摂取しないといけないんです。
食品加工の工場が閉鎖しているのに、加工前の原材料を届けられても困りますよね?
セロトニンの素をいくら届けられても、セロトニン工場が動いてないので、セロトニンの素は無駄になってしまうんです。
なので、その工場を再稼働させるためのパーツから揃えないといけないんです。
脳が働くために必要な食材
お米などブドウ糖の素になる食糧
お米を食べると、分解されてブドウ糖が生成されることはみなさんよくご存知だと思いますが、このブドウ糖は、脳の1番のエネルギー源です。
いわば工場の電力なんですね。
これが不足したら、工場は動きません。
糖質ダイエットなどが流行っている現代では、避けられがちな栄養素ですが、ブドウ糖なしで私たちは生きられません。
過剰摂取はもちろんダメですが、必要量は絶対に取るようにしましょう。
大豆をはじめとしたビタミンB1
大豆に含まれるビタミンB1はブドウ糖が脳のエネルギーに変化することを助ける働きがあります。
これが不足すると、ブドウ糖が上手くエネルギーに変化してくれません。
大豆を代表選手として紹介しましたが、あずきやそら豆など豆類全般に多く含まれます。
それ以外には、豚肉や全粒粉のパンなどに多く含まれます。
ビタミンB群を多く含む食材
先程はビタミンB1についてお話しました。
脳機能の働きを保つためには、他に、
といったビタミンB群が必要になります。
これらはどれも、食べた食材がエネルギーに変化することを助ける働きがあり、不足すると体のエネルギーが不足する要因となってしまいます。
細胞の修復を助ける働きもあるので、目に見えない体の中の不調を治すためにも必須となってきます。
(チョコラBBってありますよね?あれのBBって、ビタミンB群のことです!)
肉類に多く含まれていることが知られていますが、特に豚肉や牛肉に多く含まれています。
鶏肉はタンパク質が多いのですが、ビタミンB群はあまり多くないので、肉類は豚肉多めが良いかと思います。
他にも緑黄色野菜に多く含まれます。
とはいえ野菜嫌いで緑黄色野菜はムリという人もいると思うので、その場合は、もやしや白菜など、水分質の野菜に豚肉多めでメニューを作ると良いかもしれません。
ビタミンDの多い食事or日光を浴びる
ビタミンDはカルシウムの生成を助ける働きがあります。
カルシウムは骨の材料である他に、イライラを抑える作用があることから、セロトニンと共に、常に体に取り入れておきたい栄養素ですね。
また、ビタミンDには免疫力が向上する効果があることから、感染症予防に効果があることが近年の研究で知られています。
免疫機能を調整し、炎症を抑制する効果もあります。
これらの効果を得るために、ビタミンDの多い食材をとる必要がありますが、主に魚介類に多く含まれます。
最近は魚介類もお高めなので、経済的な方法を取るなら、鶏卵もオススメです。
ビタミンDは日光を浴びることでも生成されるため、一日の中で、小一時間でも外に出る機会を設けることが、心身の健康に良いとされています。
ここでやっと「バナナ」が出てくる
バナナはセロトニン生成のために必要な必須アミノ酸である「トリプトファン」が多量に含まれています。
前項までの食材にもトリプトファンが含まれるものはありますが、バナナはそれ以上にトリプトファンの量が多いです。
前項までのメニューに、間食としてバナナを食べることで、工場と原料が揃うようになります。
バナナだけ食べても残念ながらうつ病が治らないのはこれが原因なんですね。
なので、まず食生活から正す必要があります。
睡眠の質を高めるために気をつけること
日光に当たりメラトニンを生成する
メラトニンは睡眠を誘導するホルモンで、この働きによって私たちは夢の中に落ちていきます。
このメラトニンは、日光に当たることで、セロトニンから変化して生成されます。
なので、そもそもまずセロトニンがないとメラトニンはうまく生成されず、あまり寝付けないんですね。
そのため、前項ではセロトニンを増やすための食生活の提言から入りました。
ちなみに日光に当たる時間は、朝がいちばん良いとされています。
セロトニンがメラトニンに変化するためには時間がかかりますが、朝、日光に当たると、夜寝る前辺りにメラトニンの量がピークを迎えるそうです。
ぐっすり眠りにつくためにも、セロトニンが多くなる食生活と日光を浴びることを重要視していきましょう。
バランスよく「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」できる睡眠時間を確保する
レム睡眠とは、脳が情報整理をするための睡眠状態をいいます。
このとき、脳は起きている時と同じかそれ以上活性化しており、眼球運動も活発になります。
ノンレム睡眠では、レム睡眠とは逆に、脳機能はほとんど使われず、お休み状態になります。
入眠からノンレム睡眠→レム睡眠→ノンレム睡眠→レム睡眠といったサイクルに入りますが、この状態になるためには、入眠からの睡眠時間が長く取れる必要があります。
このサイクルを調節する働きをセロトニンを作る工場である外側手網核というところがになっているのではないかとする研究が理化学研究所で進んでいるそうです。
良い睡眠サイクルには、セロトニンの分泌機能がしっかりと働き、十分な睡眠時間があると良いようです。
睡眠時間を削ってしまう「逆襲性夜更かし」に要注意
睡眠時間がたくさん確保できることが脳を休ませることに繋がりますが、夜更かしするとそれができません。
特に現代人は夜更かし癖がついている人が多い傾向があります。
夜更かしの理由は様々ありますが、ここでは、スマホやゲームなどの娯楽で夜更かししてしまう、「逆襲性夜更かし」について解説していきます。
逆襲性夜更かしとは、日中、あまりにも忙しすぎて、自分の好きなことをする時間がない時に、睡眠時間を削って好きなことをする時間に当ててしまう夜更かしのことを言います。
忙しさの反動で、やりたいことが出来なかった逆襲として、忙しくない夜中に遊んでしまうんですね。
なんか、誰でもやってそうな夜更かしの仕方ですが、実はちゃんと名前があるんですね。
この逆襲性夜更かしは、かなり習慣化してしまいやすく、日常的にやってしまうと、平均睡眠時間が3~5時間と、かなり少なくなってしまいます。
睡眠時間が短くなればその分、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが乱れてしまい、脳が休まりません。
なので、たまには遊びたい気持ちをぐっとこらえて、睡眠時間に当てられるようにメンタルを慣らしていくことが必要そうです。
ASMRを聴くのは入眠の少し前がいいかもしれない
睡眠導入としてASMRを聴く人も多いかもしれません。
今は様々なプラットフォームでたくさんの人がASMRコンテンツを配信しています。
それらを聞く際に、寝るために聴くという目的の場合、一点だけ注意が必要です。
それは、ASMR視聴中に寝落ちする習慣がある人は、ASMRを聞かないと入眠出来なくなる場合が稀にあるということです。
入眠剤と理屈は同じです。
薬効のある状態で入眠する習慣があると、薬効がないと不安感で眠れなくなることがあり、これを薬への依存性と呼びます。
睡眠障害で内科を受診する際、入眠剤を処方されることがあるかと思いますが、必ず言われるのが、「依存性がある薬なので、徐々に減らしていきましょう」ということです。
ASMRコンテンツそのものは民間療法としてかなり優秀だと思います。
ASMRで生計を立てている活動者もいらっしゃるので、減らしていきましょうというのも難しいところです。
要するに、使い方を工夫する必要があるということです。
無難なのは、寝る1時間前辺りから、部屋の電気を消し、リラックスするための一助としてASMRを視聴し、聴き終わったら無音声状態で入眠する。
この流れを組めば、普段からASMRを聴く人もASMRの良い面を主に受け取ることができるかと思います。
補足(何がなんでも今すぐ改善したい人向けの話)
体の不調のサインに気づく方法
手のツボを押して、痛みを感じたら、体を休めましょう
せっかくなので、手のツボの話くらいはしておかないと、即効性を求めている人から怒られるので、手のツボの話をしたいと思います。
直接体の不調を治すことは難しいですが、手のツボを押すことで、自律神経の乱れを整えることができます。
特に、親指と人差し指の付け根の間にある筋肉には合谷というツボがあります。
この合谷は万能のツボと呼ばれていて、体の自律神経全体に効くツボといわれています。
このツボを押した時、軽く押しただけで痛みを感じる場合、あなたの体は既にボロボロだと思ってください。
体の自律神経や内臓系に不調をきたしているサインがこの合谷に現れているからです。
東洋医学では、ツボを押し続けることで、不調を治すことができるとされています。
ですが、軽く押しただけで痛むなら、ツボを押しつづけるよりまず寝てください。
睡眠によって、脳を含め体全体をよく休ませれば、ツボを押し続けるよりはるかに効果的に体の疲れを取る事が出来ます。
まとめ
重要なのは、加害者が加害者になる前に加害者になることを防ぐことです。
セロトニンを増やし、イライラを減らす生活が送れるようになれば、些細なことで他人に迷惑をかけるコメントをすることはぐっと減るのではないでしょうか?
本記事で書いたポジティブサイクルが必ずしもセロトニンだけに由来するものではないものの、食事、睡眠、日常生活のサイクルが整うためには、セロトニンは切っても切り離せないため、積極的に増やしていきましょう。
それが結果的に、加害者がイライラの憂さ晴らしに悪コメを書くことを予防し、万一その被害者になっても、精神状態を保つことができると思います。
誰か一人だけの努力では成り立たない、社会的な問題ですが、社会全体で取り組み、誹謗中傷被害を減らしていきたいですね。
それでは今回はこの辺で。
また次回の投稿でお会いしましょう。
参考文献
脳疲労が回復する栄養素https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/171/
ビタミンDの働きと摂取目安量、多く含む食品を紹介https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=223&category=health
セロトニン、メラトニンとは?眠りの質を大きく変える働きと改善方法について徹底解説! | 健達ねっとhttps://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/20107
うつ病関連物質セロトニンを制御する外側手綱核は睡眠調節も担う | 理化学研究所https://www.riken.jp/press/2013/20130515_1/
ビタミンB群で、脳と体のエネルギー不足を解消 | 横浜弘明寺呼吸器内科クリニック健康情報局https://www.kamimutsukawa.com/blog2/counseling/594/#i